悔しいけど好き
「何言ってるの!周くんそっくりじゃない!すごく可愛い」

「そうか?似てるかな?」

謙遜してるけど周くんは照れ臭いんだろう。
声からは嬉しさがにじみ出てるような気がした。
生まれた子は女の子で安産だったらしく奥さんも元気だそう。

「それに奥さんも綺麗な人だね。3人で写ってる写真幸せそう」

結婚式を挙げていない周くん達。
奥さんとは会ったこともなく紹介もされてないので奥さんの写真で初めて顔を見た。
海里兄さんはもちろん会ってると思うけど。

「…ああ、そうだね」

急に声を落とす周くんにおや?と思う。

「どうしたの?今が一番幸せな時じゃない?あ、赤ちゃん生まれて責任の重さに気が引き締まる思いとか?」

「あ…ああ…そうだね。責任重大だよね」

歯切れの悪い周くんに首を傾げる。

「どうしたの?周くん」

「凪は幸せか?あの彼とはまだ続いてるのか?」

「鷹臣?うん付き合ってるよ。あ…周くん送ってくれたとき鷹臣に何か言ったでしょ?あの後鷹臣大変だったんだから」

嫉妬に刈られた鷹臣に襲われるように抱かれたことはさすがに言えないけどここぞとばかりに文句を言うと苦笑いが聞こえる。

「はは、そうか、それは悪かった。別に大したことは言ってないんだけどね。昔話にヤキモチでも妬いちゃったかな?」

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