悔しいけど好き
俺は何をやってるんだろう?
凪の本心が誰を想ってたっていいじゃないか。
今は俺が好きだと言ってくれる凪を信じられずにまた同じ過ちをしようとするなんて俺は本当に屑だ。
深くため息を吐くと、電話は鳴りやみ今度はメッセージが来たことを知らせる。

[鷹臣のバカ!どこにいるのよ!]
[私の電話盗み聞きして勝手に怒って出て行かないでよ!]

「ごめん…逆上して訳が解らなくなってた…」

メッセージを読んで呟くがそれは凪には伝わる訳も無く、ただ既読スルーしているのも気付かずにスマホのメッセージを見つめた。

[なんでそこまで周くんの事にこだわるのか分からないけど]
[何が周くんに勝てないの?]

それを聞くのかよと思わず自嘲気味に笑ってしまう。
それを知ってるのは凪自身だろう?

[前にもあったねこんなこと]
[鷹臣が荒川さんに告白されたの私が聞いちゃったとき]

何を引き合いに出してくるんだ?それとこれとは別の話しだろう

[私が愛してるって言った言葉を鷹臣が聞いたならそれは周くんに言ったんじゃないよ]

「え?」

思わず言葉が漏れて、まさかあの時と今回も同じだったのかと、少しの期待を持つと次のメッセージを待った。

< 214 / 325 >

この作品をシェア

pagetop