悔しいけど好き
何とか暴れようとしたけど力の差は歴然でびくともしない。
ああ!こんな日に限ってタイトスカートでやつの股間を蹴り上げることもできない!

後悔してると手首が頭の上に持っていかれ左手一本で押さえられるとぎりぎりと痛みがが走る。
近付いてくる奴の顔から逃れるために背けると右手で顎を掴まれ無理やり正面を向かされた。

体は押さえ付けられ顔も固定され絶対絶命。
ニヤニヤした顔が吐き気を催す。

「よく見るとなかなか俺好みだね、その睨む目とかゾクゾクするよ」

「こ…の…変態!」

「ふーんそんなこと言っていいのかなあ?僕は一応ここの専務なんだけど。あ、君僕のこと知らなかったねえ」

いやらしく笑う奴にムカムカして渾身の力で暴れたけど余計に押さえつけられて気持ち悪さが増す。

「何がしたいの!離してよ!」

「そんな嫌そうな顔するなよ。僕はこれでもモテる方なんだよ?君の彼ほどじゃあないけどね」

そう言いながら奴の右手が私の脇を滑りゾワゾワと悪寒が走った。

「う…やめっ…」

「うんいいね、その恐怖に染まった顔もそそる。ちょっと僕と遊ぼうよ」

体が強ばり目尻に涙が溜まる。
その間にも奴の手は体を滑り胸に止まった。

「ひっ…」

触らないで!
そう叫びたいのに声は喉の奥に引っ掛かり悲鳴も出ない。

嫌だ!助けて!


鷹臣!!



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