悔しいけど好き
ピンポーーン…

……

ピンポンピンポン…

……


ピンポンピンポンピンポンピンポン!!




「あー!うっさい!」

お風呂上りに髪を乾かしているとしつこいチャイムが鳴ってイラッとしながらドアを開けた。

「おま…相手が誰か確認してから開けろよ、不用心だな?」

「あんなしつこいチャイム鳴らすのはあんたくらいでしょ!それに来ると思ってたし!」

何故か困り顔の神城が言ってきて、つい言い返してしまう。
そうかよ、と不貞腐れた顔で神城は私を押しのけズカズカと勝手に部屋の入って行く。

「ちょっと!勝手に入らないでよ!」

「なんなんだ!これ!」

部屋の中央でくるりと振り返った神城が私の目の前に突き付けた物は今日私が作った資料。

「資料ですけど何か?」

「とぼけんな!」

しらを切る私に憤慨してる神城はテーブルの上に一枚一枚資料を広げる。

そこには至る所に付箋が貼ってある。
もちろん、私が書いた。

 …ここの数字間違ってる!計算も出来ないの?

 …ここの調査が甘いわよ!変な顔の神城の似顔絵付き(結構特徴掴んでると思う)

 …ここも間違ってる!(バーカバーカ!)

 …あんた、私の家に残して行ったものあるでしょ?返して欲しくば今日取りに来なさい!

…それと、私に嘘ついてることあるでしょ!


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