悔しいけど好き
私やっぱり知的でクールで大人な男性が好きみたい憧れるわ~!

「あ~悪い悪い。鷹臣はね、今回殴ったことに関して相手は被害届はは出さないと言ってくれた。だから心配することはないよ」

「は!…あ、そうですか。良かった」

神城弁護士の言葉に我に帰りほっとする。
正木部長と神城弁護士がクスクス笑う中一人不機嫌な鷹臣は口元を隠しはあ…っとため息をついていた。

何かあればいつでも頼ってね。という神城弁護士は帰り際鷹臣になにやら耳打ちして帰っていった。
鷹臣は微妙な顔でむすっとしててつい笑ってしまう。

「来週から二人とも仕事復帰だ。休んだ分バリバリ働けよ!」と正木部長にハッパをかけられ「はい!」と元気よく返事した。
そんな私を見て満足そうに頷いた部長はでも無理はするなよ?と労ってくれる。
部長にも色々心を砕いてくれて感謝でいっぱいだ。何度もお礼を言って家に帰ることにした。

実際私は何もしていないんだけど、これで全て終わったんだと思うと清々しい気持ちで外に出ると青空に向かって両手を上げうーんと伸びをした。

反対に鷹臣は不貞腐れ続行中でポケットに両手を突っ込み渋い顔。

「ねえ、何そんなに怒ってるの?」

「別に…」

「出た!別に発言」

「うるせえ…」

茶化すと悪態ついて足を早める鷹臣に呆れて肩をすぼませ後を付いていった。


< 259 / 325 >

この作品をシェア

pagetop