悔しいけど好き
「それに私が寝てるのをいいことに部屋のなか見て回ったでしょ!だから迷うことなくバスルームに入ってった!」

「いやーそれは…」

さすがに言い逃れできないと思ったのか首の後ろをポリポリとかいて慌てた様子の神城に止めの一発をお見舞いする!

「それと!ここ!」

私の左胸と鎖骨の間辺りを指差すと奴はピキッと固まった。

あの日、お風呂に入ろうとブラウスを脱いで何気に鏡を見て私は絶叫した。

そこには赤い花弁が一つ。

ぶつけた覚えはない。
それは明らかにキスマークだった。

私が寝てる間に奴はブラウスのボタンを開けここにキスマークを付けた!

「セクハラで訴えてやる!」

「ちょっ…!待て!早まるな!」

すごい剣幕で凄むと慌てた神城は手を前に出して抑えようとする。

「何が早まるなよ!あんたこそ早まってるでしょ!嫌いな相手にキスマークとかつける?普通!」

「嫌いって…そう思ってるのはお前だけだろ…」
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