悔しいけど好き
「だから置いて行かないで下さいよ~」
ブーたれて入って来た嶋田にため息が零れる。
「はあ…そこの廊下で迷子にはならんだろ」
ため息と共に吐き出された言葉に山本さんはブフッと吹き出した。
他人事だと思って!と山本さんを剣呑な目で睨むとツーっと視線をよけて山本さんは自分のデスクに戻って行った。
ああ、疲れる。
俺にまとわり付く嶋田と凪になついている安達が入れ替わってくれたらどんなにいいかと人事を決めた部長を恨めしく思う。
その時、正午のチャイムが鳴った。
「ここまで出来たら大丈夫。キリがいいからお昼行こうか?午後から今度はこっちの書類作成教えるね?」
「はい!ありがとうございます!凪さん丁寧に教えてくれるから凄くわかりやすいです」
「ふふ、安達くんが飲み込み早いからだよ?これなら一人立ちも早いかもね」
「いえいえ全然です。もっと凪さんに教えて欲しいです」
俺達と違い凪達は和気あいあいと教育も順調そうでちょっと焦る。
嶋田は営業としては1年子会社で経験してこちらに来ているものの如何せん余計なおしゃべりが多くて教育が進まない。
くそ、いくら仕事内容が違っても新人に負けるなんて悔しい。
よし、昼抜きで仕事してやる!
とやけくそでデスクに戻ると立ち上がった凪と目が合った。
「……鷹臣も、行く?」
「……行く」
さっきのやけくそは何処に行ったのやら。
つい返事をしてにこりと笑った凪に照れてしまって鼻をポリポリ掻いてた。
先を行く凪に付いていくと後ろから忍び笑いが聞こえた。
「まるで犬」
振り返りぎろりと睨むとやべえって顔をしたのは安達だった。
凪の前では絶対見せないが俺に対して悪意ある態度をチラチラ見せてくる。
こんにゃろ!絶対凪に気があるだろ!
「ほら、二人とも食堂混むから早く行くわよ」
「はい!」
楽しげに返事をして安達は凪に駆け寄った。
見えないしっぽがブンブン振り回されてるぞ!お前の方が犬っころだろうが!
どんどん自分の口が悪くなっていくのを止められない。
そのうちほんとに口に出してしまいそうだ。
「嶋田さんも行きましょ」
「はい!喜んで!」
嶋田もどこの居酒屋店員だ?というような威勢のいい返事をして後について行く。
俺はため息をついて足取り重く後を追った。
ブーたれて入って来た嶋田にため息が零れる。
「はあ…そこの廊下で迷子にはならんだろ」
ため息と共に吐き出された言葉に山本さんはブフッと吹き出した。
他人事だと思って!と山本さんを剣呑な目で睨むとツーっと視線をよけて山本さんは自分のデスクに戻って行った。
ああ、疲れる。
俺にまとわり付く嶋田と凪になついている安達が入れ替わってくれたらどんなにいいかと人事を決めた部長を恨めしく思う。
その時、正午のチャイムが鳴った。
「ここまで出来たら大丈夫。キリがいいからお昼行こうか?午後から今度はこっちの書類作成教えるね?」
「はい!ありがとうございます!凪さん丁寧に教えてくれるから凄くわかりやすいです」
「ふふ、安達くんが飲み込み早いからだよ?これなら一人立ちも早いかもね」
「いえいえ全然です。もっと凪さんに教えて欲しいです」
俺達と違い凪達は和気あいあいと教育も順調そうでちょっと焦る。
嶋田は営業としては1年子会社で経験してこちらに来ているものの如何せん余計なおしゃべりが多くて教育が進まない。
くそ、いくら仕事内容が違っても新人に負けるなんて悔しい。
よし、昼抜きで仕事してやる!
とやけくそでデスクに戻ると立ち上がった凪と目が合った。
「……鷹臣も、行く?」
「……行く」
さっきのやけくそは何処に行ったのやら。
つい返事をしてにこりと笑った凪に照れてしまって鼻をポリポリ掻いてた。
先を行く凪に付いていくと後ろから忍び笑いが聞こえた。
「まるで犬」
振り返りぎろりと睨むとやべえって顔をしたのは安達だった。
凪の前では絶対見せないが俺に対して悪意ある態度をチラチラ見せてくる。
こんにゃろ!絶対凪に気があるだろ!
「ほら、二人とも食堂混むから早く行くわよ」
「はい!」
楽しげに返事をして安達は凪に駆け寄った。
見えないしっぽがブンブン振り回されてるぞ!お前の方が犬っころだろうが!
どんどん自分の口が悪くなっていくのを止められない。
そのうちほんとに口に出してしまいそうだ。
「嶋田さんも行きましょ」
「はい!喜んで!」
嶋田もどこの居酒屋店員だ?というような威勢のいい返事をして後について行く。
俺はため息をついて足取り重く後を追った。