悔しいけど好き
「悔しい!悔しい!あんたに負けるなんて!私の努力も営業先も!何もかも奪って行った!」
顔を覆いぼろぼろと涙を流し悔しさと虚しさで胸が苦しい。
自分の努力は全て無駄だったんだと、何もかも無に帰してしまったんだとやるせない気持ちが私を支配する。
「そうじゃない!お前頑張りすぎたんだよ。このままいったらお前死ぬんじゃないかってみんな心配してた。それぐらいお前は自分を追い込んでたんだよ」
私を抱え込んだまま一緒にしゃがみ込んだ神城は腕に力を込め訴える。
死ぬなんて大げさだ。
でも、血反吐が出るほど努力しても神城には勝てなかった。
毎日の残業は当たり前、高いヒールで何件もの営業先を駆けまわり要望に応え、寝る間も惜しんで企画を何度も練り直し会議に挑む。
それでも、どうしても勝ちたい相手、神城には勝てない。
いつも2番目。
それでも凄いってみんな言うけど私はそんなので満足しなかった。
1番になりたい。若手のホープと謳われた神城に勝ちたい。
それを励みに頑張ってきたのに。
「適材適所って知ってるか?お前は営業よりアシスタントの方が合ってるんだよ。なあ、俺のアシスタントになってくれよ。他の奴のとこに行くな」
「…何言ってんのよ…」
震える声で文句を言いながら、神城がなんでそんな切ない声で言ってんのか分からなかった。
優しく背中を摩る手が温かくて相手は嫌いな神城なのにホッとする自分がいる。
顔を覆いぼろぼろと涙を流し悔しさと虚しさで胸が苦しい。
自分の努力は全て無駄だったんだと、何もかも無に帰してしまったんだとやるせない気持ちが私を支配する。
「そうじゃない!お前頑張りすぎたんだよ。このままいったらお前死ぬんじゃないかってみんな心配してた。それぐらいお前は自分を追い込んでたんだよ」
私を抱え込んだまま一緒にしゃがみ込んだ神城は腕に力を込め訴える。
死ぬなんて大げさだ。
でも、血反吐が出るほど努力しても神城には勝てなかった。
毎日の残業は当たり前、高いヒールで何件もの営業先を駆けまわり要望に応え、寝る間も惜しんで企画を何度も練り直し会議に挑む。
それでも、どうしても勝ちたい相手、神城には勝てない。
いつも2番目。
それでも凄いってみんな言うけど私はそんなので満足しなかった。
1番になりたい。若手のホープと謳われた神城に勝ちたい。
それを励みに頑張ってきたのに。
「適材適所って知ってるか?お前は営業よりアシスタントの方が合ってるんだよ。なあ、俺のアシスタントになってくれよ。他の奴のとこに行くな」
「…何言ってんのよ…」
震える声で文句を言いながら、神城がなんでそんな切ない声で言ってんのか分からなかった。
優しく背中を摩る手が温かくて相手は嫌いな神城なのにホッとする自分がいる。