悔しいけど好き
「ちょっとそこで女と言われるとムカつく」

女と侮られないように頑張って来たのに女だからと言われるのは凄く嫌だ。

「いや…そこ誉めてるから。男はおおざっぱが多いから細やかな気配りはさすがだっていってんだぜ?」

苦笑いの奴を見てはあっとため息を吐く。
今さらそんなこと言っても結局私は弱い女で奴に守られ今こうしていられる。
まだまだ修行が足りないなとひとりごちる。

「ま、明日からよろしく頼むよ。あー、気が抜けたら眠くなってきたな。今日泊まってってもいいか?」

「はあ?何でそうなる?用事は済んだから帰ってよ!」

「お前、薄情だな?時計見ろよ」

え?と時計を見れば深夜を回っている。
もう電車は走っていない。

「タクシーで…」

最後まで言い終わる前にギロリと睨まれ口を閉ざす。

「アシスタントなんだから帰れない俺を泊めてくれてもいいだろ?じゃあ俺風呂入ってくる~」

「ちょっと!」

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