悔しいけど好き
ソファーで丸まり奴にどうやって仕返ししようか考えてたら、お風呂から上がったらしい奴が怒りぎみで出てきた。


「ちょっとこれ…」

「ぶっ!あっははっ!めちゃくちゃ…似合ってない!」

あははとお腹を抱え大笑いする。
奴に何か着るものと言われたけど私の部屋に男物の服はない。
だから明莉から海外旅行のお土産にもらったピンクのバスローブを奴のパンツと共に置いといたのだ。
160cmの私でも大きいそのバスローブなら少しはいいかと出したのだけど180近い身長の奴にはやはり小さかったらしい。
腕も肩もパッツンパッツンで濃いめのピンクがまた全然似合ってなかった。

ひぃ~と痛いお腹を押さえ笑い続けてると奴は不機嫌そうな顔して私の横に無理やり座った。

「こっち来ないでよ!」

笑いを堪えながら奴を見ると足を広げて座ってるものだから程よく筋肉の着いた足が丸見えで慌ててそっぽを向く。

「おい、これは無いだろこれは!他に無いのか?」

肩をぐいっと寄せられ顔を覗き込まれ、これでもかと首を捻り目を合わせないようにした。

「あるわけ無いでしょ!」

「……彼氏の服とか置いてないの?」

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