悔しいけど好き
お盆休みに入る前日。
会社では毎年恒例のビールパーティーが開かれる。

10階建ての会社のいつもは殺風景な屋上が煌々とライトに照らされ音楽と美味しい匂いで満たされる。

ビール片手に美味しそうな料理を取りに行くと明莉がエプロン付けて料理を並べていた。

「凪~飲んでる~?」

「飲んでるよ~!総務は今年ビールパーティーの担当だったね?大変そー。飲めてる?」

パーティーの運営は毎年課毎に担当が代わる。
今年は総務で準備が大変だと明莉が言っていた。

「うん!ちょくちょく飲みながらやってるよ。そういや凪は一人?旦那は?」

「む、旦那じゃないし、あいつなんか知らない」

ぷいっと横を向いてグビグビビールを飲む。
明莉は鷹臣を私の旦那と位置付け何かと冷かしてくる。
旦那どころか彼氏でもないし勝手なこと言わないでと言ってるのに聞いてくれない。

「おや、相変わらず不機嫌だねぇ」

クスクス笑う明莉は遠くの人だかりを見つけにやりと笑い私の脇を小突いて来た。

「ああ、あれ?、見事に女子に囲まれてるねぇ?いいのぉ?あたしのダーリンにちょっかい掛けないでって言ってきたら?」

「だから!ダーリンって何!?全っ然あいつなんか関係ないし!」

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