悔しいけど好き
「駅弁楽しみにしてたんだー。いただきます!」

美味しそうなカニ飯の蓋を開け嬉々として手を合わせ食べ始める。

「うん!美味しい!」

「うん、カニ飯にして正解」

二人で笑いあって色々話ながら完食。
気兼ね無い親友との女二人旅。
流れ行く景色を見ながら会話は更に弾む。


うん、私笑えてる。
楽しいって思えてる。
このまま楽しく毎日過ごして過去のことは忘れよう。


奴のことは…絶対、思い出さない




新幹線で着いた先は風情漂う温泉街。
どこもかしこも人で溢れ賑わっている。

予約した宿は老舗の旅館で部屋付きの露天風呂があるリッチな部屋だ。
普段頑張っている自分達へのご褒美としてこの宿を選んだ

「すごーい!綺麗!」

「いいとこだね!」

「ここにして正解!」

二人興奮して部屋をくまなく散策し窓を開け景色を楽しむ。
中庭には専用の露天風呂が湯気を出して私達を誘っていた。

「さっそく入っちゃう?」

「入っちゃおう!」

きゃっきゃとはしゃいで露天風呂に入った。
お肌がツルツルになると有名なお湯はさらっとしててほんとに肌を滑らかに潤してくれる。


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