悔しいけど好き


「…馬鹿。…自信が無いなんてよく言えるわね。こんなに好きにさせといて…」

「凪…」

「ムカつくことばっかりなのに、悔しいくらい……あんたが好き…」

拗ねたように言うと、ふと、涙の残る頬に触れ目元を撫でられた。
伏せた目を上げれば泣きそうな揺れる瞳が笑顔になって私を見つめた。



「凪が好きだ…ずっと…こうしたかった…」



頬を包まれ、優しい温もりが唇を包み込む。
何度も何度も、離れては微笑み合って甘い感触に酔いしれる。

きつくかき抱かれて私も奴の背中に腕を回した。
奴の唇は徐々に頬へとずれていき熱い吐息が耳を掠めゾクリと背中が沸き立ち自分のカラダも熱くなる。
奴の手はいつの間にか私のTシャツをたくしあげ熱くなった体に冷たい左手が触れた。


「やっ…あ…」


ゾクリとまた電気が走ってあられもない声が漏れてしまって奴がくすりと笑う。

「なんだよ、かわいい声出せるじゃんか」


「ひゃっ…ぁん…」

キスの合間に撫でる手は背中へと回り、唇は首筋へと落ちていく。


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