悔しいけど好き
奴が彼氏になっちゃった!
ちょ…っ!
ちょっと待て!
まさかこのままここでその気になってんじゃないだろうな!?
ここ外だし!
いつ誰が来るかわからないし!
「ちょっと!やめっっ…あっ…やっ!」
何とか止めさせようと引き剥がしにかかるけど一人盛り上がってる奴は余計に燃え上がってるようで欲情した目を細めてまた私の唇を奪うように塞いだ。
「だ…からっ…ここ……外…んっ…!」
激しいキスに息も絶え絶えで、奴の右手は怪しく腰を撫で下へと移動し、左手がブラのホックに手をかけプチっと外す。
胸が解放された瞬間に私の堪忍袋もプチっと切れた。
「っ!だーーーーっ!やめいっ!」
「う"っっ!」
渾身の一撃を奴の脇腹にめり込ませ、見事にヒットし奴は呻き声を出して壁に手を付きずるずると落ちていく。
「ここどこだと思ってんのよっ!なし崩しは嫌だって言ったのはあんたでしょうが!」
「わ…わりい……今のは……効いたぁ…」
情けない声を出して脇腹を押さえ踞る奴の前に仁王立ちしてふん!と鼻を鳴らす。
ふわっと潮風が吹いてTシャツの裾が揺らいで胸の解放感にホックを外されたことを思い出して慌てて止めた。
それを見ていた奴がクスクス笑うからまた拳を握りしめ目を細める。
「もう一発、欲しい?」
「わっ!たんま!もういらない!」
慌てて奴は立ち上がり両手を振って抵抗する。
その顔が凄く焦ってるから思わず笑ってしまった。