悔しいけど好き
「でも…凪が俺が告白したって誤解してるの聞いて、いてもたってもいられなかった。だから稲葉にお前の実家聞いて飛んできたんだよ」
鷹臣は私の手をきゅっと握って急に真剣な顔になった。
その顔にきゅっと心臓が鳴ってごくりと息を飲む。
「頼むから聞いてくれ、あの日告白はされたが自分から告白なんてしてない。凪が聞いた、俺の好きだと言った言葉は、凪、お前に対してだ」
「え…?」
「告白されて、好きな奴がいるからって断って、凪のことが好きなのか聞かれたから好きだと言った。あいつは俺が凪のこと好きなの知ってて告白してきたんだ」
何を言ってるのか理解出来なくて奴の目を見つめる
「だ…って…あの時キスしてたじゃない」
一瞬下を向いた奴が舌打ちをして顔を上げた。
「やっぱり見てたのか…。あれは、不意討ちで避けきれなかったと言うか首掴まれて逃げれなかったというか……」
「やっぱり、キスしてたんだ」