悔しいけど好き
「いいの振っちゃって？彼女美人じゃない」

「え…お前本気で言ってる？」

「少なくとも私より断然美人だと思うけど」

荒川さんは社内でも1、2位を争うほどの美人で狙ってる男は数知れず。
そんな人に告白されてあっさり振るとかちょっと信じられない。
男はみんな美人が好きでしょう？

「なんだよ、俺が荒川と付き合ってもいいって言うのか？」

不満そうな顔の鷹臣はまた私の前に立ち顔の横に手を突かれ囲われた。

「そういう訳じゃ…一般論よ」

ただ、自信が無いだけ。
鷹臣が私のこと好きだって言ってくれることがまだ信じられないのかもしれない。
そういえば鷹臣も自信がないって言ってたな。
なんて目線を落としながら考えていたら顎を掬われ目を合わせられる。

「美人は３日で飽きるって言うだろ？俺は凪がいいんだよ！」

「それは…私は喜んでいいわけ？」

ブスは飽きないと言いたいのだろうか？
ジト目で睨むと睨み返してきた鷹臣が近付いてくる。

「世界中の誰より凪が好きだっていってんだよ」

怒った言い方をする割には降ってくるキスは甘くて抱き寄せられた腕は力強くて求められてる実感が湧いてくる。
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