悔しいけど好き
「うっわ…1時間以上ここに居たわ。しかも帰りが遅いから実家から連絡来てた」

電話やメッセージがいくつも入ってた。
こりゃ大変だ!と荷物を持って立ち上がる。

「私もう行かないと!」

鷹臣に振り替えるとひょいっと荷物を奪われた。

「俺が持ってやるよ」

「な、何?荷物持ちなんて珍しいことして」

「手持ちぶさただから」

「あ、そう…。そういえば鷹臣はどこに泊まるの?それとも帰る?」

「お前…ほんと薄情。俺取る物も取り敢えず飛んできたんだよね」

「あ…そう…」

私のために飛んできてくれたのはわかるからジト目で見られて口ごもる。
何か嫌な予感…。

「財布とスマホしか持ってきてないんだよね。勿論ホテルの予約なんてしてないし帰る切符も買ってない。今から帰るの億劫だし」

「う…うん…だから…?」

「お前んち泊めてくんない?」

「は…はは…冗談、だよね?」

「んなわけ無いじゃん?」

絶対確信犯だろー!
にっこり笑う鷹臣の笑顔が憎たらしい。
実家に男を連れてったらどうなることやら…絶対大騒ぎになるに違いない。
ああ~~頭が痛い。
< 91 / 325 >

この作品をシェア

pagetop