婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「で、で、お兄様っ!天帝様はなんて?…私は断罪されるのでしょうか!」
「違った。断罪じゃない」
「あ、よかった…いやいや!じゃあ、何で!」
断罪じゃない。やったー!
と思うのも束の間。
では、何故?
なぜ私は天帝様に呼ばれる羽目になったのだろうか。
「天帝がおまえに聞きたいことがあるそうだ。質問には素直に答えろ」
「ななな…!」
そうなると、ますますわからない。
脱走、窃盗、転売の断罪でなければ、いったい何なんだろう。
「…まさか、本当に収穫祭の宣伝を」
「天帝相手にやれるもんならやってみろ。じゃがバターと芋もちの宣伝をするがいい」
「………」
…本当にしますよ。芋もち追加ですね。
そして、コツコツと足音だけが響く。
突き当たりの部屋は、赤い絨毯が敷かれ、入り口の造り、装飾が一段と派手だ。
お兄様のように仏頂面の護衛の兵士が二名立っている。
見るからに、偉い人のいる場所!という入口。
恐らく、あそこが天帝様のいる玉座の間だ。