婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
…いやいやいやいや、そこは驚くなかれ。
私達八部衆の王族、その配下の貴族。
上の神族などなど、『一族』を持つ王家、族長の家系は側室を持つことをこの世界では許されている。
必ずしも持たなければならないというわけではないけど。先代王である私のお父様は不貞で私を作ったが、妃はおかあさま一人。だから奥様計三人は余計驚いた。
ましてや他の一族よりも大所帯で、この世界には欠かせない存在である、竜族の王だ。
奥様計三人。計三人!
一族の繁栄、維持のために、側室を持つのは当たり前。
当たり前…。
(当たり前…)
…とは、言い聞かせていても。
実際それを目の当たりにすると、心が重くなったものだ。
想い焦がれている人が、夜更けに側室のところへと通われるその姿を見てしまうと…。
その時、私は理解せざるを得なかったのだ。
これは、政略結婚。一族同士の繋がりのためのもの。
恋愛結婚ではないのだ。
私は、竜王様に愛されて求められてここにいるのではない。
私がいくら…思い慕っていても。
夢は、所詮夢だった。
【不貞の子】という悪評がゆえに、嫁ぎ先では歓迎されず。
ずっと想い慕っていた未来の旦那様に、側室が二人いることが、ここに来てから発覚。
これが、この婚約の大問題だったりする。
私的に。