婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

「おまえのあの野ざらし野営が異常過ぎることがわからんか?…人間はよ?ここみたいな大自然の美しい場所でテントを張り、寝食を楽しむという娯楽をするのだ。で、大自然からエネルギーをもらって、明日への戦いの糧にする」

「へえぇぇ!」

明日への糧、はよくわからないけど。

これが娯楽というのは、何となくわかる。

私の送った死と隣り合わせの野営とは全然違う。

大自然の中のテント。新鮮でいつもと違った世界の中でワクワクする。

これが…キャンプ!



「テント立てただけで満足しちゃいかんぞ羅沙ちゃん。飯の準備と火起こしせねばならんからな?」



私がテントを見つめ、感動で目をキラキラさせている間にも、豹牙は別の行動を始めていた。

ぽめがまた「わんわんわんっ!」と叫ぶと、またボンッ!と空気が弾けて、新たな物品が登場する。

しかしそれは、本日、善見城の庭園で見たものだった。

えと、確か…ふぁいやーぐりる。焚き火台。



「火起こし火起こし♪」



そして、豹牙はいつの間にか枯れ草や落ち葉、麻紐の塊と、薪を準備していた。

薪に火を着けて、焚き火?
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