婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

「それは、ヒーローってんだ」

「ひーろー?」

「英雄とか、超活躍した戦士、とか?…でもまあ、俺たちガーディアンはヒーローじゃない。力を貸して『神童』をヒーローにはするけどな?」

「ううん、でも人間界を護ることに繋がってるんだもん。十分そのひーろー?だよ」

「わはは」

持ち上げた私の言葉を、豹牙は笑い飛ばす。

その横顔が眩しく思えた。



(ヒーロー、か…)



素敵だな。そんな存在。



…もし、私に力があれば。

ヒーローに、ガーディアンになれるほどの強さがあれば。



【不貞の子】だとか、神力が使えないとか。

そんな劣等感も吹き飛ばすことが出来たのだろうか。

竜王領でも…もっと違った過ごし方が出来たのだろうか。



(…ううん)



心の中で、首を横に振る。

出来る出来ないとかじゃなく、私のような忌まわしい存在になんて、どうせ無理。

そんな姿、微塵も想像出来ない。

ヒーローだなんて。



…でも、そんな理由で簡単に済ませてしまうことに、納得いかない自分もいたのだった。




< 192 / 440 >

この作品をシェア

pagetop