婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
涙も拭かぬまま顔を上げると、目の前には焚き火の炎が視界に入ってきた。
ボロボロと次々に涙が頬を伝うが、半ば放心状態でその炎を見入ってしまう。
炎に魅せられたせいか、今までの私の行いが頭を過ぎる。
《想う人には、私だけを見て欲しい。それはいけないことなの?…私にはそんなの耐えられない!》
《だからやめるの!全部無しにするの!未熟だと言われても、それは譲れない!》
《説明なんて聞きたくありません!》
《羅沙、幸せになろう》
メラメラと滾る炎には。
今までの私のバカな言動から、竜王様との思い出が映し出されたような気がして。
もっと、もっと泣けてきた。
爆発的に。
「うぅっ…ううぅぅ…うわぁぁぁんっ!」
「わー」
「うわぁぁんっ…わあぁぁぁっ!ああぁぁぁ…」
「すげえ泣いちゃった」
大声をあげて喚くように泣き声をあげても、豹牙は狼狽えることすらせず「たはは☆」と楽しそうに笑っている。
私、一応真剣に泣いてんのに…!
「ばかあぁぁ!…豹牙のばかあぁぁっ!うわああぁぁんっ!」
「え、俺?」
「何でっ…早く教えて…くれなかったのぉぉ!うわああぁ…」
「ありゃ」