婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
慰めようともしてくれない豹牙に、半ば八つ当たり。
でも、わかってる。
こんなにはっきり言ってくれる人、他にいない。
だから、気付けたようなもの。むしろ感謝しなくてはならないのに。
「豹牙のばかあぁぁっ!…うわああぁぁんっ!ああぁぁ…竜王様ぁぁ…」
「ぶははは。泣きながら男の名前呼んでやんの」
「…うるさいぃぃっ!…うわぁぁぁぁ!」
だが、豹牙は笑い飛ばしてバカにしながらも「よしよし」と私の頭を撫でる。
「すまんすまん。一度竜王領に遊びに行ってやりゃよかったな?すまん」
「…ホントだよおぉぉ!…わああぁぁっ」
「だって『来るな!』って、怒られるもの。…ま、今は泣け泣け。間違いに気付いたんだから。次はちゃんとやれるやれる」
「うわあぁぁぁー!」
次はない。もう…無いんだよ。
悲しくて、悔しくて。
自分が恥ずかしくて。
そんな自分に堪えられなくて。
燃え盛る炎の前で、大号泣してしまった。
心が痛くて、押し潰される。
間違っていた。私が。
偉そうな戯言を吐ける立場ではなかった。
ばか。私のばか…!