婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「神力にはな?『光』と『闇』がある」
光と闇…?
「え?そんなの凪の座学でも聞いたことなきよ?」
「うーん。だろうな。だって神族のほとんどは『光』、自然界のエネルギーから神力を使っている。俺も、夜叉王も羅刹も。竜王も沙那も、蓮華も、俺の親父も。この世界の住人はだいたいそう。『闇』の神力持ちはまずいない。…だから、話にも出てこない」
「えっ…」
「『闇』の神力持ちはレアだ」
「れあ?」
「稀少価値ってこと。力の出所が魔族の持つ『魔力』と似てる。『闇』の神力は、無機質な世界のエネルギー」
「魔族に似てるって…やだなぁそんなの」
「なーに。似てるってだけで、魔力とは同じものではないさ。で、『闇』の神力は扱いづらいもんだ。『光』の神力とは勝手が違う。…だから、夜叉王らはおまえに神力を教えることが出来なかったんだ」
「で、でも、お兄様、そんなこと一言も…」
「並の神術使いじゃ、羅沙の持ってる神力が『闇』のものとは判断しにくいもんだよ。だから『何か力はあるけど詳細不明』てな感じで済ませてたんじゃね?…ま?俺様は、かーなーり優秀な神術士ですから?かーなーり」