婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
…ではなく!
豹牙も、私に神術を教えることが出来ないの?!
この天界の神術士は、『光』の神力を行使する人がほとんど。
その『光』の神術士は、『闇』の神術を教えられない。
…じゃあ、この世界じゃ誰も私に神術を教えられないの?!
ガーン!!
一度見えた希望は、再び混沌の闇へと落ちていった。『闇』の神力だけに…。
またしてもしょんぼりと肩を落とす。
そんな私を見て、豹牙はクツクツと笑っていた。
それがいつもの豹牙だけど、何か腹立たしいね。
…だが、豹牙の頭にはすでに救済案が浮かんでいたからなのだった。
「そこは心配なさるな、羅沙ちゃん」
「え?」
「むふふふ。この天界、『光』の神術士がほとんどだが。…一人だけ、公認の『闇』の神術士がいる」
「…えぇっ!」
それは、私の本当に本当の希望の光であり。
「…実はさー?新しいガーディアン仲間に、そいつがいるんだ」
「え、ほ、ホント!しかも、ガーディアン!」
「そうそう。八部衆が一人、摩睺羅伽(まこらが)王の第二王子。草樹(そうじゅ)という男子なんだがな?生まれながらに『闇』の神力を持ち、一人で独自に『闇』の神術を習得していったという、超天才的なヤツなのよー」