婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
一人で独自に?…誰も教えてくれないから?
それって、凄い人なんじゃない?!
「この天界、『光』が竜王なら『闇』はその草樹かっていうぐらい神術凄技なヤツ。…羅沙にヤル気があるのならば!そいつを紹介してやっても構わんが?」
「や、やる!やるやる!ヤル気あるっ!」
そこはもちろん即答。
だって、希望の光が一筋見えた。
それを敢えて逃すわけにはいかない。
豹牙も私の答えはお見通しだったようで、またニヤニヤと不敵な笑みを浮かべている。
「じゃあ、取り敢えず草樹に文を出しとくか。で、摩睺羅伽王領に…」
豹牙がそう言い掛けたその時、風がフワッと吹く。
その風に乗せられた匂いが、何故か焦げ臭かった。
…え?何で焦げ臭いの?
ふと辺りを確認しようとした途端、ぽめが急に「わんわんわんわんっ!」と、激しく吠え出す。
まるで、危機を知らせるかのように。
「ぽめ?……あっ」
「は…」
豹牙と二人、立ち尽くして目にした光景は。
思いもよらぬ地獄絵図だった。