婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「ご、ごめん豹牙…」
豹牙の顔色を伺いながら、取り敢えず恐る恐る謝罪をする。
ぽめを抱っこしたまま、「まったくだ!」と言いながら豹牙はバッとこっちを見た。
「なんつー炎だおまえわ…テントどうしてくれるんだこりゃ」
「ごめん、弁償するよ」
「弁償?…ったく、この異世界テントをどこで調達してくんのよ」
「あ!あわわわ…」
しまった。これは人間界ぐっずで、天界には無い。…弁償出来ない!
あわわと狼狽える私。
だが、この豹牙の宝物をどうにかしなくてはならないのだ。
しかし、崖っぷちに立った私は、とんでもないことを言う…。
「じ、じゃあ、私がガーディアンになったら、人間界ご褒美でテント貰う!それを豹牙に返すからっ…」
「出世払いか?ぶははは」
悪そうな笑みを浮かべる豹牙に、私は深く頷く。
どっちみちガーディアンを目指すんだ。
ならば、ガーディアンになって豹牙にテントを返す…!
目標が出来た。上等だろう。
「…じゃあ、行くか?摩睺羅伽王領」
「うん!」
…こうして、私の新しい人生が始まる。
新生『私』の第一歩だった。