婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
朱嘉様同様、この白龍様も私にチクチクと嫌味を投げ掛けてくる。
私と竜王様の婚約を特によく思ってない人、だったりする。
琥珀色の長い髪を靡かせて、白龍様は細く冷たい目で私を気持ち上から見下ろしている。
身長差である、と信じたいけど。
「あ…ちょっとそこまで」
私が辿々しく答えると、「ふーん…」と表情変わらずその目を向ける。
「侍女もつけずにこんなところに?いつも行き慣れている訓練場への道とはいえ、あまりにも無防備だと思いませんか?…正妃になられるという自覚、あるんですか?」
き、来た。いつもの口撃…!
この人もまた、朱嘉様同様、容赦無く私を言葉で滅多打ちにする。
淡々とくどくどしているのは、元々の性格なんだろうけど。
…それに加えて、私に対する嫌悪感はもちろん。
しかし、まさか。
これから私の秘かな計画を悟られるわけにはいかない。
精一杯、誤魔化し繕い答える。
「多少なら私一人でも大丈夫と思いまして…す、すみません。すぐに戻りますので…」
「それは貴女が武術を心得ているからということですか?」
「え、えぇ…」