婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
この男。
大人しくしているワケがなかった。
「おー!凪とお茶して待ってるどー!」
うわ。
「羅沙様、お帰りなさいませ」
うわわわわ!
そそくさと、見つからないようにやってきたのに。
庭園の木製の東屋には、豹牙と凪が二人。
何故か、優雅にお茶してる…!
ぽめは豹牙の足元でお皿に入ったパンにがっついている。…凪の作ったパンかな。
どんな展開…!
予想外の事態に呆然としてしまったが、ハッと我に返って、早足でツカツカとまったりした雰囲気の東屋に赴く。
「ち、ちょとちょと!何で二人でお茶してるの!」
「えー。だってここにいたら凪が散歩してた。んでバッタリ」
「主不在ですから休暇のようなものでして。朝をゆっくり過ごしていたのですよ?…と、いうか、羅沙様。天王様と戻ってきていらっしゃるのであれば、王宮に御立ち寄り下さいませ。野営の前にお顔を出してくれてもよかったでしょう?」
「えっ…!」
豹牙と戻ってきた、野営…って、凪は知っている?
何でっ?!…とは、言うまでもない。
恐らく、凪の隣に座る、この男が喋った。
「凪の作ったパンうまー」