婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
人の気も知らないで、ベラベラと…!どこまで喋った?
呑気に紅茶飲んでパン食べて…万が一、凪に反対されて引き止められたらどうするの!計画台無しだよ!
ムッとして豹牙を睨み付けるが。
そこは…取り越し苦労だったようだ。
「羅沙様」
「は、はい」
凪は紅茶をひと啜りして、カップをテーブルに置く。
何か言われる!と、身構えてしまう。
「…摩睺羅伽王領に行かれるんでしたら、まず、北地域の『葉玖』という町まで馬を走らせてお行きください。あと、『魔の森』は避けて遠回りで摩睺羅伽王領にお入り下さい」
「…え?」
「天王様は転移術式、移動術式を使うと仰ってますが、なんせ距離がありますし、それでは天王様が疲労困憊となってしまいます」
「凪、俺ダイジョブだよー」
「………」
凪の口から、まさかの言葉なんですが…?
凪と豹牙を交互に見る。
目が合った豹牙に「全部凪に喋ったぞー」と、悪怯れもなく告げられる。
は…この男!
「し、喋ったって!」
「おー。登城命令は単に兄貴が個人的に羅沙と話したかっただけとか、竜王とモメたとか」
「は…」