婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

「昨日は天気が良かったから、式典終わった後、前々から言ってたキャンプ決行したとか、羅沙の『闇』の神力のこととか、羅沙が俺のテントを燃やしたこととか、摩睺羅伽王領に行こうとしてるとか」

「…ホントにほぼ全部だね!」

洗いざらい喋ったのだと理解し、思わず投げやりに突っ込んでしまう。



…けど。今の凪の一言は、私を諌めるものではなかった。



「羅沙様」



私を呼ぶ、凪の声はいつも通りの張りのある声だけど。

私を見るその表情は、少し寂しそうだった。



「羅沙様の『闇』の神力のことは存じ上げてました」

「え…」

「ですが、我々だけでは扱いきれるものではなく、ひょっとしたら羅沙様をお守りできない事態になるかもしれない。…ならば、一層のことこの事は内密に、神術の習得は諦めさせる。それが亡くなられた奥様のご意向でございます。ですが…」



そう言い掛けて、凪はフッと笑う。



「…羅沙様ももう成人になられましたし、羅沙様の人生は、羅沙様のものです」



予想外の凪の思いに、私は驚愕するしかない。

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