婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
なので、ここの人通りは町民よりも他地域の農民さんですとか、商人さんが主じゃないだろうか。
石造りの街並みをぐるっと一周した後、市場へと足を運ぶ。
街の中心部の端にある市場は、街並みよりも人がいる。
取引をする商人らの声が、いろいろな方向から飛び交っていて、ザワザワと活気に溢れていた。
「おー!食べ物食べ物!」
豹牙はたくさん立ち並ぶ商店の数や人に、更に興奮しているようだ。
ここは食べ物を扱うところなので、ぽめをまた上着の懐にしまうという気を遣ってから、更にも増してキョロキョロしている。
私を置いてあちこち見て回り、私が着いていくのに一苦労だ。
「わー!じゃがいも、わー!玉ねぎ!すっげえたくさん!」
「ちょっと。あまりはしゃがないでよ」
「なあなあ、ここ何が美味いの?今日のメシ何にする?」
「え?どこかで食べないの?」
「キャンプするんだもん。キャンプ飯作るに決まってんじゃんか」
「………」
今、なんとおっしゃいました?
「まさか今日も…」
「え?しないの?キャンプ」
「………」