婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
そんなことを考えていると、少し忘れかけていた地獄での出来事や住人を思い出してしまう。
…って、あぁ。こんな場面で思い出しては落ち込んでいる場合ではない。
まるで私が竜王様のを見たい……いやいやいやいや!私ってば何を考えてるの!破廉恥な!
目を覆ったまま暗闇の世界で、あーでもないこーでもない悶えている。
というか、早く服を着て…!と念じる中、ぽめの「わんわん!」という声がした。
すると、またあの空気が弾ける音がする。
「おっ?タオル、ぽめさんきゅー」と声がすることから、ぽめが何かをちーと召喚したのだろう。
たおる、前を隠せるものですか?ぽめ、余計なことしちゃダメだよ?
恐る恐る指の間から、こっそりと前方を確認する。
豹牙は手拭いを頭に被り、私に背を向けながら履き物を身につけているようだ。
ホッとする。取り敢えずそこさえ隠れれば。
もう大丈夫だと確信して、目から手を離す。
履き物だけ身につけて、上半身裸のまま手拭いで頭を拭いているようだ。「ぷはー」と言いながら。
ぷはーじゃない!事件起こしかけといて。