婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

4.死と隣り合わせ、野営サバイバル

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《ですので、この婚約…なかったことにして欲しいのです!》



そう啖呵を切って、勢いで嫁ぎ先の水晶竜宮を飛び出してきた。



…までは、良かったのだが。



私は、少々甘く見ていたようだ。

馬一匹で、故郷に向かうということを。






(ま、まずい…)





もう何回、陽は上っただろうか。

だが、その陽射しはジリジリと肌を焦がすようだ。

ここ、西の地である竜王領は、北の夜叉王領と比べて温暖な気候で、気温が高い。

よって、涼しい北の地育ちの私には少々堪える。



あ、暑い…。



馬一匹で勢いよく飛び出してきたはいいもの、持ってきた食糧と水は三日で尽きた。

それに、私。お金持ってない…。

そこが誤算ともいえる。

よって、現在喉はカラカラ、頭もクラクラ。空腹過ぎて吐きそうだ。そして、暑い。



…あれ?

竜王領から夜叉王領って、こんなに遠かったっけ?

確か、水晶竜宮に輿入れに来た時は、五日ぐらいで到着したはず…。



そこが私の大誤算だった。



(あぁ…あぁっ!)
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