婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
奥様計三人…それは言っちゃダメー!!
豹牙の余計な一言に、竜王様はますます激昂して、突き付けていた剣を振り上げる。
その隙を見て、豹牙は素早く身を逸らして後方に滑り込むように回避する。
「このっ…!」
「刃物で訴えるとはらしくないんじゃありませんのー?天界一の神術士、竜王様ぁ?」
「…この手でバッサバサ斬り裂いてやりたい程、腹立たしいんだよおまえは!」
そう怒鳴って剣を握り直すと、竜王様は豹牙に向けてその刃を翳す。繰り出される重い一振りは、ブンッと音を立てる。
「おほー。…おっ!」
次々と振り落ちる刃を、豹牙は俊敏に次々とかわす。その動線のついでに、そこらに脱ぎ捨てていた服を手にして素早く着用していた。随分余裕ありげだ。
「羅沙におまえの粗末なモノを見せやがって!この露出狂!…痴漢!逃げるな!」
豹牙は「ぶひゃひゃひゃ!」と、笑って逃げており、誰が見ても小馬鹿にして挑発してると思える態度だ。…どうして怒らせるの!
竜王様もそんな挑発に乗らないで、いつものように穏やかに冷静に…!