婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「えぇっ!」
衝撃の返答に変な声が出てしまった。…いや、まさかとは思っていたけど本当にそうだとは…!
たかが私を迎えにこんな辺境まで!
しかし、私があまりにも驚き過ぎたのか竜王様はキョトンとした表情を見せていた。
「い、いや、そんなに驚かなくても…」
「いやいや驚くでしょ。竜王、それ立派なストーカーだっちゅーの。絶世の美男子がなんつー執念だ」
「…んだと!この野郎!」
豹牙がまた竜王様をからかって、軽く怒らせている。
っていうか、すとーかーとは何でしょう。
だが、先程のような大喧嘩になることはなく、竜王様がニヤニヤ笑う豹牙の方をキッと睨み付けるのみで済んだ。
咳払いをひとつした後、改めて私の方を向く。
「羅沙。どうか変態だとは思わないでくれ。やっぱりどうしても早く話がしたくて…だから、一緒に戻ろう」
「えっ、戻る…?」
「ちゃんと話がしたいんだ。恐らく、もうじき君のお兄様も金剛鬼宮に戻ってくる。今後のことをきちんと話そう」
「ち、ちょっと待って下さいっ!」