婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

「あわわわ…ぽめ、落ち着いて!豹牙も竜王様も!」



ぽめを抱っこしたまま、二人の視界に入るぐらい傍に寄って仲裁する。

「…羅沙!」

すると、急に竜王様がバッと振り返って、今度は私の方に詰め寄ってきた。

眉間にシワを寄せた、気難しい表情で。

「え?え?」

「羅沙、もう帰ろう。旅は終わり。…ダメだ!」

「え…?」

「ガーディアンになる?何で急にそんなことになってるんだ!…羅沙には無理に決まってるじゃないか!」

「む、無理って…だ、だから神術習いに…」

「…無理だ!ダメだ!」

「………」



はっきりと告げられたその一言に、目の前が真っ暗になりそうだった。

相手が竜王様だけに。



…無理?ダメ?

そんなの、わかってるよ。



だって、私はおばかであほなワガママ娘で。

曰く付き【不貞の子】、神術が使えない謂わば落ちこぼれ神族。

改めて突き付けられると実感してしまい、悲しくなって落ち込んでしまう。



《羅沙には無理に決まってるじゃないか!》



何の取り柄もない、何も出来ない。…わかってるよ。

そんな自分が…嫌だ。
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