婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
ここで諦めてしまったら、いつもと同じ。
変わるんだ、私。
「私はガーディアンを目指し、このまま摩睺羅伽王領へ向かいます。…一人でお帰り下さい。私はなんせ『おばか』ですし?」
「羅沙っ…!ま、待って!今のは俺が悪かった!話を…」
そう言いながら、竜王様は私にそっと手を伸ばして、一歩近付いてくる。
距離を取ろうと一歩後退しようとした。
…その時だった。
「…わんわんっ!わんわんわんわんっ!」
私の腕の中にいるぽめが、目を釣り上げて、竜王様に向かって激しく吠えだす。
私の腕から身を乗り出して、まるで「来るな!」と刃向かうように。
「ぐるるる…」と唸った後、再び「わんわんわんわん!」と桁たましく吠え続けた。
「…わっ!この犬っ!…うわぁっ!」
ぽめに吠えられた竜王様は、一歩退がって何故か過剰に反応するが。
いつにも増して空気がボンッ!と大きく弾け、その風圧で竜王様は軽く吹っ飛んでしまう。
…えっ?!
ぽめ、竜王様を吹っ飛ばしちゃった!
「ぶははは!いいぞ、ぽめ!……『梵天勧請曼陀羅陣』!」