婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!


するとその時、ぽめがタッと走り出した。



「わんわん!」

「…なぬ?森の出口がわかったと!」

「えぇっ!」

だから、ぽめの言ってることわかるの?

で、何でぽめが出口の方向わかるの?

ぽめ、万能過ぎる。



しかし私の疑問はさておき、豹牙はぽめの後を追い、私もその後に着いていく。

ぽめは私達より少し先をトコトコと歩いては振り返って「わん!」と吠える。そして、また先を進む…を、繰り返している。

私達がちゃんと着いてきているかを確認するように。

こっちだよ!おいで!って言ってるみたい。かわいい…。

しかし、その先に光は差さず、出口はまだ見えてこない。

ぽめの様子といい、まだまだ先のようだ。



そんな可愛らしい様子を見守りながら、足を進めていたが。



(…あっ)



その瞬間。障気が濃くなるのを肌で感じる。

気配は後ろ。

…魔族だ!



「…羅沙!」



咄嗟に腰の剣を抜いて振り返ると同時に、バキバキバキッ!と、樹々が薙ぎ倒される激しい物音があがる。

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