婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

…だが、私達を取り巻く状況が徐々に変化していく。

出口に着実に向かっているのか、障気が薄くなっていくけれども。

その分、魔族と遭遇する回数が増えていくという、ちょっとおかしな状況になっていた。



「『紫の門』、実は結構デカいんじゃね?」

「………」



確かに。こんな短時間でしかも障気が薄い箇所にまで、たくさん魔族に遭遇するなんて、そうとしか考えられない。



『紫の門』が大きければ大きいほど、出現する魔族の数は多くなり、また、戦闘力の高い人型魔族の出現率が高くなる。

人型魔族は、戦闘力が高い上、知能がある種族もいてだいぶ厄介だ。

数によるけど、もしそうなら小規模の魔族討伐遠征が必要になる。

…どうするべきか。



「大事になる前に、いっちょ塞いでくるか?…それとも、さっさと森を抜けるか?」

「…でも」



『紫の門』を塞ぐには、封印術式が必要。

…神術士がいないと出来ない。

ここには、豹牙しかいない。

一旦、森を抜けて加勢を呼ぶべきか。



だが、そんな選択の余地など与えられない状況が…来る。
< 312 / 440 >

この作品をシェア

pagetop