婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
…だが、私達を取り巻く状況が徐々に変化していく。
出口に着実に向かっているのか、障気が薄くなっていくけれども。
その分、魔族と遭遇する回数が増えていくという、ちょっとおかしな状況になっていた。
「『紫の門』、実は結構デカいんじゃね?」
「………」
確かに。こんな短時間でしかも障気が薄い箇所にまで、たくさん魔族に遭遇するなんて、そうとしか考えられない。
『紫の門』が大きければ大きいほど、出現する魔族の数は多くなり、また、戦闘力の高い人型魔族の出現率が高くなる。
人型魔族は、戦闘力が高い上、知能がある種族もいてだいぶ厄介だ。
数によるけど、もしそうなら小規模の魔族討伐遠征が必要になる。
…どうするべきか。
「大事になる前に、いっちょ塞いでくるか?…それとも、さっさと森を抜けるか?」
「…でも」
『紫の門』を塞ぐには、封印術式が必要。
…神術士がいないと出来ない。
ここには、豹牙しかいない。
一旦、森を抜けて加勢を呼ぶべきか。
だが、そんな選択の余地など与えられない状況が…来る。