婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

そんな草原の中でも、やはり夜は野宿。木の麓にそのまま寝転がった。

ゴツゴツして体が痛い。

おまけに草原地帯なので夜は寒い。土の上も冷んやりしている。

掛け物代わりにしていた紋章入りの腹帯、売らなきゃ良かった…。寒いっ。寒いよ。日中は暑いのに。この寒暖差、半端ない。



お腹空いた…体痛い…。

寒い…暖を取る掛け物や火が欲しい…。



っていうか、何やってんの?私。

過酷な野営生活をするなんて、思ってもみなかった。自分のあほさ加減に自己嫌悪する始末。



冷え切った土の上に横たわり、冷え切った体を抱えて、震えながら目を閉じる。

辺り一面、当たり前に灯りが無く、ただ暗闇だったので、目を閉じても視界の色は一緒。

真っ暗。

すっかり冷え込んだ夜の風だけがヒューッと通り過ぎていた。



誇り高き剣豪の一族とはいえ、こんな寒い中に空腹のまま馬一匹と暗闇だなんて、正直…寂しい。



寂しい、と思うと。

決まって、頭の中に過ぎる。



(竜王様…)



今頃、何してるのかな。

あれから何日経ったのか、もうよくわからないけど、阿修羅王領から帰ってきたのかな。

私がいなくなったことに…気付いただろうか。
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