婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
自分の作ったものに対する俺の反応を気にしてるんだろうか。
それはちょっと…いや、だいぶ可愛いな。
『いただきます』と断ってから、一口入れる。
羅沙の視線が強くなった。『どうですか…?』と、目で訴えられているようだ。
身を乗り出しながらそんなに見られると、照れ臭いんだけど…。
『…美味しい』
思わず、ポロッと感想が出てしまった。
お世辞とかではなく、本当に美味しい。出汁も麺も。売り物に出来るぐらい。
『ほ、ほ、本当ですかっ?!』
『うん、美味しいよ』
『わわわ、ありがとうございます!』
『やった!』と、呟いて笑顔になる。
あまり気の利いてない俺の一言感想でも、こんなに喜んでくれるなんて、照れ臭いの極みなんだけど。
でも…そんな君を見ていると、俺も嬉しい。
…その時、ふと思い出す。
今は亡き大切な友人と、何気なく交わした会話を。
《へぇー。王族の血を残すために、たくさん嫁さん貰うのかー。それは残念な文化だったな》
《残念?》
《愛する女は生涯一人。その愛する一人を散々愛し込む。が、愛の醍醐味だと思うんだけど》