婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
そう諭されて、もう帰るしかなかった。
一層のこと『妹を傷付けやがって!』と、散々責められた方がまだ良かったかもしれない。
後味は、悪かった。
…何で、こんな事になってしまったのか?
どこでどう間違えたのか?
何故、羅沙は俺のことを信じて待っていてくれなかったのか。
何度も何度も、今までの事を振り返るが…わからない。
ぐるぐると頭の中を駆け巡らせながらも、時は過ぎていく。
何故か、天帝がこの嫁に逃げられた事実を知ってしまい、『それは大変だぁぁっ!竜王、安心して?僕が羅沙を説得するよ!』と、簡単に登城命令を出してしまった。
余計なことすな!…という気力すら削がれていた。勝手にしろよもう。
俺には、何が足りなかったのだろうか。
どうすれば、こんなことにはならなかったのか。
それが何たるかわかったのは、天帝の生誕式典にて、久々に羅沙に再会した時のことだった。
『竜王様、私は以前から貴方をお慕い想っておりました…』
…こんな尊いことに気付かないなんて、俺は史上最大の大馬鹿者かもしれない。