婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
皮肉のようでイラっとさせられるが、そこは本当のことなので反論出来ない。
今思えば…ちゃんと想いを伝えて恋仲にでもなって、順序よく進展していたら、例え政略結婚でもこんな変な混乱は避けられたかもしれない。
たらればだけど。
「…しかしよぉー。勇者竜王、これからどうするんだい?」
豹牙は、俺の真ん前に立って腕組みをしている。
羅沙を抱いて座っている俺を上から見下ろしながら、そう尋ねてきた。
勇者の肩書きいらない。マジでいらない。
「どうするって…?」
「羅沙ちゃんはこれから神術習いに草樹んとこに行く予定なんだぜ?ガーディアン目指すために」
そうだった…!
《私、ガーディアンになりたいんです!》
何でそんな話になっちゃってるのか知らないが。
よりにもよって、避けて通ってきたことに挑戦しようなんて…!
「だ、ダメだ!神術士になるだなんて!」
「何で?」
「何でって…話聞いていたか?羅沙の【紅蓮の炎】は、羅沙の命を脅かすものなんだぞ!」
「へー」
しかし、流石この男。
度肝貫くような提案をサラッと口にしてしまう。