婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「………」
普段ちゃらけてる男が、真剣に声を張り上げると迫力がある。
それに押されて思わず言葉を失ってしまった。
「でも、羅沙はそんな自分が嫌だからって…もっと立派に成長したいって、だからガーディアンを目指すことにしたんだよ!頑張りたいって言ってるんだよ!あの箱入りヘタレが!」
「あ…」
「故人の遺言だか何だか知らねえけどな?羅沙の人生は、羅沙のもんだ。…羅沙に選択権があんの。羅沙が決めんの!」
羅沙の人生は、羅沙のもの。
それは…わかっている。けど…!
「好きな子を全力応援!しようとしてやらねえから、竜王は逃げられるんだっつーの!そのうちフラれっからなぁ?」
「な、何だよそれは!」
そのうちフラれるという単語に、一瞬ザワッとしてしまう。
羅沙にフラれる?…もしそうなれば、俺は一貫の終わりだ。恐らく生命体として終了する。
…だから、ビビってしまったわけではないけど。心に引っかかってしまった。
羅沙の人生は、羅沙のもので。
好きな子を全力応援。
…その言葉が、妙に頭から離れなかった。
「で、いつまで甘やかして寝かせとく?!…ぽめ!羅沙の鼻を舐めてやれ!舐めて起こせ!」
「わんわんわん!」
「何を!…あぁっ!羅沙を舐めるな!このリアルわたあめ!」