婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

【閑の巻】

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…それから。

仁義なき戦いもやっとこ終えて、【魔の森】からも離れる。

出発が遅かったので、摩睺羅伽王領には辿り着けず、そこらの野っ原がキャンプ地となってしまった。

テントも張って、食事も終わり、辺りはすっかり光が落ちて夜。




「…竜王様、ホントに大丈夫だったのですか?」

「大丈夫!羅沙が心配することじゃない。…それ聞くの何回目?本当に大丈夫だから」



かれこれ数えきれないぐらい質問しているので、竜王様は笑顔を保ちつつも、いい加減不機嫌になってしまった。

しょんぼりとする。

竜王様、優しくありません。

ぶらっくきぎょうの『ブラック』とは、黒いという悪い意味だそうです。

悪く恐ろしい竜王様がいる。ブラック竜王様ですか。



結局、側近の方々を振り切って…いや、納得させて、竜王様は私達の旅に着いてきてしまった。

俺がそうしたかったから良いんだ!と、言い張る始末。

喜ぶべきか、憂うべきか…迷いどころだ。



「おーい、諸君!星が綺麗だぞ!」



遠くの方で、豹牙が叫ぶ。

豹牙は、地べたに寝転んで大の字になり、空を見上げているようだ。
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