婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
竜王様は忙しくて全然お会い出来ない。だから話も出来ない。
なので、そのまま飛び出して逃げてきた。
私の不満や文句をグチグチと聞いた上で、お兄様は表情を変えずに淡々と言い放つ。
「おまえはあほか」
あほ…!
「あ、あほとは何ですか!これだけ王領のことを田舎だとか王妃教育より剣豪教育とかバカにされて黙っていられますか!」
「我々夜叉族は、近年新しい改革に乗り出していて他の八部の一族とは違う方向に進んでいるからな。新しい物を受け入れられない古風な連中の鼻に付くんだろう」
「で、ですがっ!お兄様や亡くなったお父様のことまで…!」
「そんなものは聞き流しておけ。俺は何を言われようがどうでもいい。…自分の悪評を突かれて黙っていられなかったか」
「うっ…」
図星を突かれて言葉を失う。何も言い返せない。
「八部衆の王妃になるということは、そういう事だろう。高貴な身分に上がると注目もされる。好評もあれば相応の批評もあるのは当たり前だ。…おまえは、それを我慢出来なかったのか」