婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「曰く付きの私が嫁に行けないかもと危惧しての事かもしれませんが、余計なお世話です!…私が竜王様を慕っていること、お兄様もご存知だったでしょう?!」
「あ、あぁ…」
「そんな大好きな竜王様が毎晩いそいそと側妃の、他の御方のところに通っている中、夜眠れと!…こんな仕打ちありますか!それに『本当は正妃には緊那羅王の蓮華様を迎えようとしていた』とまで言われました。これにも堪えろとお兄様は仰るのですか?」
「そんな事言われたのか」
「本当はおまえを妃に望んでいないと言われ…それでも忍耐が必要と仰るのなら、私は王妃になんてなりません!…竜王様とは結婚致しません!」
いつの間にか言われっぱなしの立場が逆転、私が文句をガーッと並べていた。
声を張り上げたお陰で、息をゼェゼェときらしている。
対するお兄様は、しばらく目を見開かせて黙っていたが、「…側妃の事は俺も初耳だな」とボソッと呟いていた。
これだけいろいろ嫌味言われても、耐えたところで得られるのは『竜王の正妃』という身分だけ。
竜王様からの『愛』なんて得られない。