婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
なんなら…そんなもの全て要らない!
「酷すぎます、お兄様…」
我慢していた思いを口にすると、今までの辛かった日々を思い出してしまい、苛立ちなのか悲しみなのかわからないものが込み上げてきた。
感情的になったせいか、涙も一緒に出てきて頬を伝う。
お兄様は目を見開かせたまま、しばらく私を見つめていた。
無表情なお兄様なりの驚いた表情、だと思うけど。
すると、部屋の扉がトントンと叩かれる。
扉が少し開いた隙間からは凪が顔を覗かせていた。
「王、ちょっと…」と、呼んでいて、赴いたお兄様とコソコソ話をしている。
「…わかった。今行く」
話の内容は聞こえなかったが、お兄様は何か用事が出来たようだ。
「…羅沙、取り敢えず今晩はもう休め」
そう私に言い残して、お兄様はあっさりと部屋を出て行った。
(………)
何か、不完全燃焼のような気もするけど。
だけど、まだ体は本調子じゃない。それに、さっきお兄様に声を張り上げてしまったせいか、どっと疲れてしまった。
そしてまた、床に着く。
けど…一度流した涙は止まらず。
しばらく布団の中で、ほろほろと流れ続けて枕を濡らした。