婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
そして、出来上がった作物を、どこからか仕入れた情報で調理までもしてしまう。小麦からはうどん、蕎麦粉から蕎麦、などなど。
そして、肉が食べたいとなれば、どこからか牛や豚、鶏までも連れてきて、酪農、畜産までをも始めてしまった。
そして、膨大な人員が必要となれば、他王領で貧しく暮らしている人を呼んでは、仕事を与え、農業、酪農に従事させる。
魔族討伐遠征での深傷が原因で、三年前に亡くなったお父様の意志を継ぎ、19歳で王になった後も、更なる改革を続け、積み重ねていった結果。
この夜叉王領は農業大国となり、お金持ちになってしまった。
…これが、伝統を重んじる古風な一族の鼻に付くんだろう。
神力に物を言わせず王領を発展させた、その姿勢が。農業大国だから田舎の王領とバカにする人もいる。
他王領では、血統で神力を授けられた王族と貴族を、神力を持たない領民が敬う傾向にあり、そこに溝、格差が生まれていると聞いた。
…しかし、この夜叉王領ではそんな格差はほぼない。
「…あ、夜叉王様だ!来た!来たよー!」
「王様ぁーっ!ご苦労様ですー!」